2022 年 8 月 9 日(米国時間)、マイクロソフトは、マイクロソフト製品に影響する脆弱性を修正するために、セキュリティ更新プログラムを公開しました。お客様はできるだけ早期に、公開されたセキュリティ更新プログラムを適用するようお願いします。最新の情報は、セキュリティ更新プログラム ガイド を確認してください。
なお、今月の「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」では、新たに対応を追加したファミリはありません。
■ セキュリティ更新プログラム、セキュリティ アドバイザリに関する主な注意点
- 今月のセキュリティ更新プログラムで修正した脆弱性のうち、CVE-2022-34713 Microsoft Windows Support Diagnostic Tool (MSDT) のリモートでコードが実行される脆弱性は、既に脆弱性の悪用が行われていることを確認しています。また、この脆弱性については、セキュリティ更新プログラムの公開よりも前に、脆弱性の情報が一般に公開されていたことを確認しています。お客様においては、早急に、更新プログラムの適用を行ってください。詳細は、CVE-2022-34713 を参照してください。
- 今月のセキュリティ更新プログラムで修正した脆弱性のうち、CVE-2022-30134 Microsoft Exchange Server の特権の昇格の脆弱性 は、セキュリティ更新プログラムの公開よりも前に、脆弱性の情報が一般に公開されていたことを確認しています。なお、この脆弱性の悪用は、セキュリティ更新プログラムの公開時点では確認されていません。詳細は、CVE-2022-30134 および Released: August 2022 Exchange Server Security Updates を確認してください。
- 今月の Microsoft Exchange Server のいくつかの脆弱性から完全にシステムを保護するためには、Exchange サーバーに 2022 年 8 月の更新プログラムを適用後、 Windows Extended protection を有効化する必要があります。詳細は、Released: August 2022 Exchange Server Security Updates および Exchange Server Support for Windows Extended Protectionを参照してください。
- CVE-2022-34715 (ネットワーク ファイル システム)、CVE-2022-30133(Windows Point-to-Point プロトコル) は、CVSS 基本値が 9.8 と高いスコアで、認証やユーザーの操作なしで悪用が可能な脆弱性です。これらの脆弱性が存在する製品、および悪用が可能となる条件については、各 CVE のページの「よく寄せられる質問」 を参照してください。セキュリティ更新プログラムが公開されるよりも前に、脆弱性の情報の一般への公開、脆弱性の悪用はありませんが、脆弱性の特性を鑑み、企業組織では早急なリスク評価とセキュリティ更新プログラムの適用を推奨しています。
- CVE-2022-34301、CVE-2022-34302 および CVE-2022-34303 は Secure Boot に関する脆弱性です。これらの脆弱性は、第三者機関によって採番された脆弱性ですが、マイクロソフトが提供する更新プログラムを適用しセキュアブートのコンポーネントを更新する必要があります。Windows Update の自動更新が有効になっている組織では、自動で更新が行われるため、追加の操作は不要です。更新管理を組織で行っている場合および更新を手動で行っている組織では、更新プログラムの適用順序にご留意ください。詳細は、各 CVE 情報を参照してください。
- 2021 年 7 月 13 日に公開した更新プログラムに含まれる CVE-2021-33764 のためのセキュリティ強化に関する一時的な軽減策は、今月の月例更新プログラムを適用することで、使用できなくなります。Smartcard 認証プリンターとスキャナーは、Active Directory ドメイン コントローラーにこれらの更新プログラムまたはそれ以降をインストールした後、CVE-2021-33764 に必要な RFC 4556 仕様のセクション 3.2.1 に準拠している必要があります。詳細については、KB5005408: スマート カード認証によって印刷およびスキャンエラーが発生する可能性がある を参照ください。
- セキュリティ更新プログラムにおける既知の問題は、各セキュリティ更新プログラムのサポート技術情報を参照してください。既知の問題が確認されている各セキュリティ更新プログラムのサポート技術情報一覧は、2022 年 8 月セキュリティ更新プログラム リリースノートに掲載されています。
■ 2022 年 8 月のセキュリティ更新プログラムを公開した製品、コンポーネント一覧
2022 年 8 月 9 日(米国時間)にセキュリティ更新プログラムを公開した製品およびコンポーネントの一覧は、2022 年 8 月 セキュリティ更新プログラム リリースノートにご確認ください。
■ 2022 年 8 月のセキュリティ更新プログラム一覧
2022 年 8 月 9 日(米国時間)に公開したセキュリティ更新プログラムの一覧は次の通りです。
最新の情報は、セキュリティ更新プログラム ガイド を確認してください。
製品ファミリ | 最大深刻度 | 最も大きな影響 | 関連するサポート技術情報またはサポートの Web ページ |
---|---|---|---|
Windows 11 | 緊急 | リモートでコードが実行される | 5016629 |
Windows 10 v21H2, v21H1, および v20H2 | 緊急 | リモートでコードが実行される | 5016616 |
Windows Server 2022 (Server Core installation を含む) | 緊急 | リモートでコードが実行される | 5016627 |
Windows Server 2019 , 2016, v20 H2 (Server Core installation を含む) | 緊急 | リモートでコードが実行される | Windows Server 2019, 5016623 Windows Server 2016, 5016622 |
Windows 8.1, Windows Server 2012 R2, Windows Server 2012 (Server Core installation を含む) | 緊急 | リモートでコードが実行される | Windows 8.1, Windows Server 2012 R2 Monthly Rollup 5016681 Security Only 5016683 Windows Server 2012 Monthly Rollup 5016672 Security Only 5016684 |
Microsoft Office | 重要 | リモートでコードが実行される | セキュリティ更新プログラムの詳細については、_セキュリティ更新プログラム ガイド _およびhttps://docs.microsoft.com/officeupdates を参考にしてください。 |
Microsoft Exchange Server | 緊急 | 特権の昇格 | Released: August 2022 Exchange Server Security Updates |
Microsoft .NET | 重要 | なりすまし | セキュリティ更新プログラムの詳細については、セキュリティ更新プログラム ガイド および https://docs.microsoft.com/dotnet を参考にしてください。 |
Microsoft Visual Studio | 重要 | リモートでコードが実行される | セキュリティ更新プログラムの詳細については、セキュリティ更新プログラム ガイド および https://docs.microsoft.com/visualstudio を参考にしてください。 |
Microsoft Azure-related software | 緊急 | リモートでコードが実行される | セキュリティ更新プログラムの詳細については、_セキュリティ更新プログラム ガイド _および https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure を参考にしてください。 |
■ 既存の脆弱性情報の更新
2022 年 8 月 9 日(米国時間)に、既存の脆弱性 2 件を更新しました。
CVE | 変更内容 |
---|---|
CVE-2022-30130 | 本脆弱性に包括的に対処するため、マイクロソフトは、Windows 8.1 および Windows Server 2012 R2 にインストールされている .NET Framework 3.5 用の月例ロールアップ KB5016268 を公開しました。マイクロソフトでは、本脆弱性を完全に防御するために、本アップデートをインストールすることを強く推奨しています。自動更新を受け取るように設定されているお客様は、これ以上対応する必要はありません。 |
CVE-2022-26832 | 本脆弱性に包括的に対処するため、マイクロソフトは、Windows 8.1 および Windows Server 2012 R2 にインストールされている .NET Framework 3.5 用の月例ロールアップ KB5016268 を公開しました。マイクロソフトでは、本脆弱性を完全に防御するために、本アップデートをインストールすることを強く推奨しています。自動更新を受け取るように設定されているお客様は、これ以上対応する必要はありません。 |
■ 既存のセキュリティ アドバイザリの更新
2022 年 8 月 9 日(米国時間)に、既存のアドバイザリ 2 件を更新しました。
ADV990001最新のサービス スタック更新プログラム
新しいバージョンのサービス スタック更新プログラムが入手可能であることをお知らせするために、アドバイザリが更新されました。詳細については、FAQ を参照してください。
ADV200011 GRUB でのセキュリティ機能のバイパスに対処するためのマイクロソフト ガイダンス
マイクロソフトは、このアドバイザリで説明されている Secure Boot DBX の脆弱性に対処するために、スタンドアロン セキュリティ更新プログラム 5012170 を更新しました。マイクロソフトは、この脆弱性から完全に保護するために、この更新プログラムをインストールすることを強くお勧めします。自動更新を受信するようにシステムが構成されているお客様は、これ以上のアクションを実行する必要はありません。詳細については、このアドバイザリの FAQ セクションと KB5012170 を参照してください。
■ 補足情報
- 最新のサービス スタック更新プログラム (SSU) は、アドバイザリ ADV990001 にてご確認ください。
- Microsoft Edge (Chromium-based) のセキュリティ情報は、公開のスケジュールが月例のリリースとは異なりますので、セキュリティ更新プログラム ガイド上で製品にて Microsoft Edge (Chromium-based) を選択してご確認ください。または、Edge のセキュリティ リリース情報にてご確認ください。
- 各脆弱性情報 (CVE) のページには、緩和策、回避策、注意事項やよく寄せられる質問など、追加の情報が掲載されている場合があります。セキュリティ更新プログラムの適用の前に、併せてご確認ください。
- 最新の情報は、セキュリティ更新プログラム ガイド を確認してください。セキュリティ更新プログラムガイドでは、セキュリティの脆弱性および更新プログラムの情報を、CVE、KB 番号、製品、またはリリース日別に並べ替えたりフィルターをかけたりすることができます。各月のセキュリティ更新プログラムを絞り込むには、日付範囲に絞り込む月の第 2 火曜日を指定して検索してください。なお、セキュリティ更新プログラム ガイド API を活用して、自社に特化したカスタム レポートを作成することができます。API の活用方法を紹介する 6 つのビデオ (API の情報 (GitHub)、API へのアクセス、HTML ファイルの出力、Excel へのエクスポート、CVE リストの取得、KB リストの取得) を公開していますので、是非ご活用ください。
- セキュリティ更新プログラム ガイド に更新があった場合の通知を受け取る仕組みの実装が予定されています。詳しくは、 ブログ “Coming Soon: A Brand-New Notification System!” をご参照ください。
次回のセキュリティ更新プログラムのリリースは、2022 年 9 月 13 日(米国時間)を予定しています。詳しくは、年間スケジュールを参照してください。
更新履歴:
2022/08/10 – セキュリティ更新プログラム一覧 を修正しました。
2022/08/12 – セキュリティ更新プログラム一覧 を修正しました。